「顔パンパン…」は水の飲みすぎ?むくみが解消する“正しい水分のとり方”とは

美容の科学

こんにちは、薬剤師のともです。

朝、鏡を見たときに「顔がむくんでパンパン…」とがっかりした経験、ありませんか?
「水をたくさん飲んだから?」「昨日の夜、スープを飲みすぎた?」など、水分のとり方に原因があるのではと思っている人も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな“むくみと水分”の関係について、国内外の科学的な研究をもとにわかりやすく解説していきます。

この記事を読むとわかること:

  • 水分をとりすぎるとむくむって本当?
  • 顔や脚のむくみの本当の原因とは?
  • むくみを減らす正しい水分のとり方とは?
  • 今日からできるむくみ対策のおすすめ習慣

むくみの正体とは?

「むくみ(浮腫)」とは、皮膚の下に余分な水分がたまった状態のこと。とくに朝の顔や、夕方の脚によく起こります。

健康な人でも、以下のような理由で一時的にむくむことがあります。

  • 長時間の立ちっぱなし・座りっぱなし
  • 塩分の多い食事
  • 月経前のホルモン変化
  • 睡眠中の姿勢

とくに女性はホルモンの影響を受けやすく、顔や脚のむくみに悩みやすい傾向があります。


「水を飲みすぎるとむくむ」はウソ?ホント?

「水をたくさん飲むとむくむ」と思っている人も多いですが、実は正反対のことが起きている場合があります。

“水分が不足すると、体は水分を保持しようとして、かえってむくみやすくなる”
(Australian Better Health Channelより)

つまり、水分をとらなすぎると体が“水を溜め込むモード”になり、むくみやすくなるのです。

ただし、「むくみと水分摂取量」に直接関係があると証明した高品質な研究はまだ多くはありません。ですが、最新の知見では水分はむしろ適切にとる方がむくみ予防に役立つと考えられています。


顔や足のむくみに関する最新の科学的知見

✅ 水を控えてもむくみは減らない

健康な人がむくみを改善するために水を減らすことに、医学的な効果はありません。

むしろ、水分不足により腎臓が水分をため込むため、むくみが悪化することもあります。

✅ むくみの本当の敵は「塩分」

塩分(ナトリウム)は体内に水分を引き込む働きがあるため、摂りすぎると体が水をため込み、むくみやすくなります。


むくみ解消のカギ!“正しい水分のとり方”とは?

① こまめに水をとる

一度に大量ではなく、1日数回に分けて少しずつ飲むのが理想です。

  • 起床時にコップ1杯の水
  • 午前・午後に1〜2杯
  • 入浴後や就寝前にも1杯

② カフェイン・アルコールはほどほどに

カフェインやアルコールは利尿作用があり、体内の水分を減らしやすいため、控えめにしましょう。

③ 減塩を意識する

塩分のとりすぎは、体が水分をため込みやすくなる原因のひとつです。以下のような方法で、日常生活の中でも無理なく減塩を実践してみましょう。

  • 味付けは「かける」より「つける」:しょうゆやソースは直接かけず、小皿にとって“つける”ことで使用量を減らせます。
  • 加工食品を控える:ハム・ソーセージ・カップ麺などには多くの塩分が含まれているため、できるだけ頻度を減らしましょう。
  • だし・香味野菜を活用:昆布・かつお節・生姜・にんにく・ネギなどを使うと、薄味でも満足感のある料理になります。
  • 外食時は「少なめ」オーダーを:ラーメンのスープは飲み干さない、ご飯を白米にするなど工夫を。
  • カリウムを含む食材をとる:カリウムには塩分(ナトリウム)を排出する働きがあるため、バナナ・ほうれん草・アボカド・サツマイモなどを取り入れてみましょう。

今日からできる!むくみ対策習慣5選

✅ 足を高くする

就寝時に足元にクッションを置いたり、壁に脚をのせたりして、血流とリンパの戻りをサポートしましょう。

✅ 足のマッサージ

ふくらはぎをさするだけでもむくみ改善に有効。妊婦を対象にした研究でも効果が示されています。

✅ 軽い運動・ストレッチ

つま先立ち、足首回し、こまめな歩行などでふくらはぎのポンプ機能を活性化しましょう。

✅ 着圧ソックスを活用

海外の研究では、片足だけに着用した場合にむくみ予防効果が見られました。長時間の立ち仕事・移動に◎。

✅ 柑橘フラボノイドの摂取

レモン由来ヘスペリジン(フラボノイド)は、顔のむくみを軽減した研究結果も。サプリやドリンクでの活用も一案です。
機能性表示食品のキレートレモンが該当します。


まとめ

「顔がパンパンなのは水のせい?」と思っていた方。実は水分不足こそがむくみの原因になっているかもしれません。

むくみ対策のポイントは次の3つ:

  • 水はしっかり“こまめに”とる
  • 塩分を控えめにして、食生活を整える
  • 運動・マッサージなどで“巡り”を良くする

この3つを心がけることで、きっと毎日の「顔パンパン」や「足のだるさ」が軽くなりますよ。


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参考文献

  • Galzerano D. et al. (2021). \”Salt intake and peripheral edema: An observational study.\” J Hypertension.
  • Australian Better Health Channel. \”Fluid retention\”. Accessed 2024.
  • Inoue, K. et al. (2020). \”Effect of foot massage on lower-leg edema in late pregnancy: a randomized controlled trial.\” BMC Pregnancy and Childbirth.
  • Matsumoto, H. et al. (2019). \”Effect of lemon-derived hesperidin on facial swelling: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial.\” Journal of Nutritional Science.
  • Christensen, R. et al. (2017). \”Compression stockings reduce leg swelling in prolonged sitting: a randomized trial.\” Scandinavian Journal of Clinical & Laboratory Investigation.
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