豆乳は“飲む美容液”?シワ・乾燥・体脂肪に効く科学的根拠を薬剤師が解説!

美容の科学

こんにちは、薬剤師のともです。

近年、「豆乳が美容にいい」とよく耳にするようになりました。
でもそれって、なんとなくのイメージではありませんか?

実は、豆乳に含まれる“ある成分”が、肌や体脂肪に科学的に良い影響を与えることが、国内外の研究で明らかになってきています。

この記事では、「肌のハリ」「シワ改善」「保湿」「脂肪燃焼」といった美容効果を、エビデンスベースでわかりやすく解説します。


このブログ記事でわかること

・豆乳に含まれる“美容成分”とその作用メカニズム

・実際に肌が変化した!ヒト臨床試験の結果とは?

・豆乳を飲んで体脂肪が減るって本当?科学的に検証

・美容効果を最大化する豆乳の選び方と飲み方


豆乳が美容に効く理由とは?鍵は「イソフラボン」

豆乳の美容効果の主役は「大豆イソフラボン」
これは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きを持つ植物性化合物で、肌の老化や乾燥に関与する複数のメカニズムに影響を及ぼします。

◎ コラーゲン産生を促す

エストロゲンは真皮層でのコラーゲン合成を促進します。
イソフラボンも同様に、肌の構造を保つ繊維芽細胞を活性化させることで、

  • シワの形成を遅らせる
  • 肌のハリや弾力を保つ
                    という効果が期待されます。

◎ 抗酸化作用で“肌老化”を防ぐ

紫外線やストレスなどで発生する活性酸素は、肌のシミ・くすみ・たるみの原因になります。
イソフラボンにはこの活性酸素を除去する作用があり、肌細胞の酸化ダメージを防ぎます。

◎ 皮膚の水分保持機能を高める

イソフラボンは、肌の水分保持に関わるヒアルロン酸やセラミドの産生にも関与しているとされ、乾燥肌の改善にもつながる可能性があります。


実際に「肌が変わる」って本当?ヒト臨床試験の驚きの結果

「豆乳を飲んでも、肌に変化なんて出ないでしょ?」と思っていませんか?
実は、きちんとした科学的試験で、
豆乳の継続摂取によりシワが減少し、肌の水分量も増加したという驚きの結果が報告されています。

◎ 閉経後女性44人を対象とした研究(Rizzo et al., 2023)

被験者を2群に分けて、

  • 大豆たんぱく飲料(イソフラボン含有)
  • カゼイン(乳たんぱく)飲料(対照群)
    を24週間摂取させたところ、

大豆群では、

  • シワ面積が16週で4.8%、24週で6.5%減少
  • 色素沈着の改善(肌のトーンアップ
  • 頬の水分量が最大68%増加

が確認されました。
一方、対照群ではこれらの効果は見られませんでした。

◎ イソフラボン100mgを6ヶ月摂取(Bernardo et al.)

  • 表皮の厚みが約9.5%増加
  • 真皮のコラーゲン線維や弾性線維が有意に増加
  • 毛細血管数も増え、肌の血流が改善

これにより、肌の弾力性やツヤ感が増し、加齢による“ハリの低下”が抑えられたと結論づけられています。

◎ エクオールの用量とシワ改善効果(Natarelli et al.)

大豆イソフラボンを体内で代謝できない人(エクオール非産生者)では、

  • 1日30mgのエクオール摂取でシワ面積・深さともに有意に減少

という用量依存的な改善が報告されました。


豆乳で痩せる?体脂肪にも影響があるという研究

豆乳は「美容飲料」としてだけでなく、ダイエットや体脂肪にも影響する可能性が指摘されています。

◎ 大豆製品摂取と体脂肪率の低下(Mu et al., 2019)

22件の統合研究では、

  • 平均体重:0.37kg減
  • BMI:0.27低下
  • 体脂肪率:0.36%減
  • ウエスト周囲径:0.35cm減

と、数値としては控えめながらも統計的に有意な改善が報告されました。
特に非閉経女性では効果が大きめでした

◎ 豆乳摂取とウエストサイズ(Koyo Japan, 2021)

18件の研究から豆乳摂取の影響を解析したところ、

  • 体重やBMIに有意な変化はなかったが
  • ウエスト周囲径が有意に減少(内臓脂肪減少の可能性)

が示されました。豆乳が満腹感を与えることや、糖質・脂質代謝に働きかける可能性が指摘されています。


美容効果を最大化する豆乳の飲み方と注意点

美容目的で豆乳を取り入れるなら、ただ飲めばいいというものではありません。
効果を最大化するためのコツを押さえておきましょう。

◎ 1日どのくらい飲めばいい?

  • 研究に多いイソフラボン量は 40〜80mg/日
  • 無調整豆乳200mlあたり:約20〜25mgのイソフラボン

1日200〜400mlの豆乳が目安。朝食やおやつタイムに分けるのも◎。

◎ 飲むタイミングは?

  • 朝の空腹時:吸収率がよい
  • 就寝前:コラーゲン生成は夜間が活発なので、肌の回復に効果的

◎ 豆乳の種類にも注意

  • 無調整豆乳を基本に(添加物・糖分が少ない)
  • 「イソフラボン高含有」の記載があるものは特におすすめ

豆乳の美容効果に関する誤解と正しい理解

◎ 誤解1:「豆乳を飲めばすぐに肌が変わる」

→ ×:即効性は期待できません。最低でも8〜12週間の継続が必要。

◎ 誤解2:「女性にしか効果がない」

→ ×:男性にも肌や体脂肪への効果は報告されています(ただし、過剰摂取は避ける)

◎ 誤解3:「どの豆乳でも同じ」

→ ×:「調製豆乳」や「豆乳飲料」は糖分・香料が多く、効果を妨げる可能性があります。


まとめ:豆乳は“飲むスキンケア”。根拠のある美しさを習慣に。

  • 豆乳に含まれるイソフラボンがコラーゲン合成・抗酸化・保湿に働きかける
  • 臨床試験でも、シワ改善・肌水分増加・弾力アップが確認されている
  • 体脂肪やウエストサイズにも穏やかな改善効果あり
  • 1日コップ1〜2杯を無理なく継続することが美しさへの近道

内側から肌を育てる”時代。
スキンケアに豆乳という選択肢を、ぜひ今日から取り入れてみてください。

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参考文献一覧

  1. Rizzo G. et al. (2023). Effects of Soy Protein Beverage on Skin Aging Markers in Postmenopausal Women: A Randomized Controlled Trial. Nutrients, 15(19):4113.
  2. Bernardo W.M. et al. (2009). Effects of isoflavone supplementation on the skin of postmenopausal women: A clinical trial. Clinics (São Paulo), 64(6):505–510.
  3. Natarelli L. et al. (2023). Efficacy of Soy Isoflavone Supplementation on Skin Aging: A Systematic Review. Journal of Clinical Medicine, 12(12):4171.
  4. Mu H. et al. (2019). Soy product consumption and body weight: A meta-analysis of randomized controlled trials. Nutrients, 11(11):2790.
  5. Koyo Japan (2021). 豆乳の消費が心血管代謝リスクや体型に与える影響:18件のRCTによるレビュー(日本語資料要約)
  6. Setchell K.D.R. & Clerici C. (2010). Equol: pharmacokinetics and biological actions. Journal of Nutrition, 140(7):1363S–1368S.
  7. Toda T. et al. (2006). Soy isoflavones improve the skin elasticity and reduce wrinkles in Japanese women: A double-blind, placebo-controlled study. Journal of Nutritional Science and Vitaminology, 52(4):335–338.

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