知らないと早死にのリスクが増加⁉朝食の重要性について最新の研究から

健康の科学

~薬剤師ともが伝える、朝の新しい健康習慣~

はじめに:つい抜いてしまう「朝ごはん」…でも本当に大丈夫?

こんにちは。薬剤師のともです。

子育てや家事、仕事で毎日がバタバタしていると、朝ごはんを抜いてしまうことってありませんか?

  • 「朝は子どもの準備で手いっぱい」
  • 「ダイエット中だし、朝は抜いた方がカロリーカットになる」
  • 「とりあえずコーヒー飲めば大丈夫でしょ」

こんなふうに、朝ごはんを食べないことが「ふつう」になっている方も多いのではないでしょうか?

でも、最新の研究では、朝食を抜く習慣が健康に大きなリスクをもたらすことがわかってきています。

今日は、子育て中で忙しい人たちにこそ知ってほしい「朝ごはんと体の健康」の話を、科学的なデータに基づいて、できるだけわかりやすくお届けします。

この記事でわかること

 ✅ 朝食を抜くと、体の中でどんな変化が起こるのか?

 ✅ 朝食を抜くことで心臓病や早死にのリスクが高くなるって本当?

 ✅ ダイエットのつもりが逆効果?朝食抜きが太りやすくなる理由

 ✅ 忙しい朝でもできる!カンタン&時短で栄養がとれる朝ごはんアイデア

朝食を抜くと、体の中でこんな変化が起きている

朝食を抜くと、お腹がすくだけでなく、体の中の「バランス」が大きく崩れてしまいます。

たとえば…

  • 血糖値が急に上がる
    → 空腹が続いたあとにお昼を食べると、血糖値がドーンと上がってしまいます。これがくり返されると、糖尿病のリスクが上がります。
  • 脂肪をためこみやすくなる
    → 朝エネルギーが入ってこないと、体は「飢餓状態だ」と判断して、脂肪を蓄えようとするスイッチが入ってしまいます。
  • 脳が働きにくくなる
    → ブドウ糖(糖分)は、脳のエネルギー源。朝にそれが入ってこないと、イライラ・集中力低下・判断ミスにつながります。
  • 体内時計がズレる
    → 食事は「体内時計(概日リズム)」のスイッチです。朝食を抜くと、ホルモン分泌や代謝が乱れやすくなります。

つまり、朝ごはんを抜くことで、代謝・脳・ホルモン・血糖コントロールなどが総崩れになるというわけです。

科学が示した「朝食抜き」の恐ろしいリスク

2020年に発表された信頼性の高い研究が、このテーマに正面から向き合いました。

Rongらの研究は、世界中の大規模な研究をまとめて解析したものです。

合計22万人以上を対象に、朝食の習慣と健康への影響を比べたところ、

朝食を抜くと

  • 心臓病になるリスクが22%高くなる
  • 早死にするリスクが25%高くなる

しかもこれは、性別や年齢、喫煙・飲酒、運動などの影響を調整した上での数字。
つまり、「朝ごはんを食べない」という習慣自体が、体にとってかなりのリスク要因になるということです。

「食べない方が痩せる」は大間違い?朝食とダイエットの関係

「ダイエットのために朝を抜く」という人はとても多いです。
でも実は、それは逆効果かもしれません。

なぜなら、朝食を抜くと…

  • お昼や夜に「ドカ食い」しやすくなる
  • 体が脂肪をためこみやすくなる(飢餓モード)
  • 筋肉が分解されやすくなり、代謝が下がる

その結果、「あまり食べてないのに痩せない」「むしろ太る」という状態に…。

実際、朝食をしっかり食べる人の方が、BMI(体格指数)やウエスト周囲径が小さいという報告も多くあります。
「朝食はダイエットの味方」と考え直すことが大切です。

子どもへの影響も大きい!ママが食べることの意味

ママが朝食を食べることは、自分の健康を守るだけではありません。

  • 子どもにとっては「食育」のお手本
  • 一緒に食べることで、会話や信頼関係が深まる
  • 子ども自身の学力や集中力、体力にも影響がある

「ママが食べる=家庭全体の健康を守る」
これは、子育て世代にとってとても重要な視点です。

忙しい朝でもできる!時短&栄養たっぷり朝食アイデア

朝の時間がないのはみんな同じ。
でも「ゼロよりちょっと」が大事です。

◎ 5分でできる朝食例

  • ごはん+納豆+インスタント味噌汁
  • バナナ+ゆで卵+ヨーグルト
  • オートミール+冷凍ブルーベリー+牛乳

作り置きや冷凍食品を上手に使えば、10分以内で「ちゃんと朝食」が実現できます。

おわりに:明日からちょっとずつ、変えていきましょう

「朝は時間がないし、食べなくてもなんとかなる」
そう思っている方も多いと思います。

でも、研究ははっきりと「朝食を抜く人の体には大きなリスクがある」と伝えています。

忙しいママだからこそ、自分の健康を守ること=家族の健康を守ること。
まずは一口でも、一品でも。
あなたと家族の未来のために、明日から「食べる習慣」を始めてみませんか?

次回は、朝食の子供の学習に与える影響についてお伝えできればと思います。それではまた!

参考文献

Rong S, Sun Q, Liu B, et al.
Skipping breakfast and the risk of cardiovascular disease and all-cause mortality: a meta-analysis of prospective cohort studies.
Clinical Nutrition, 2020.
DOI: 10.1016/j.clnu.2020.02.037

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