音楽療法ってどうやるの?音楽の力で心を整える方法についてまとめました。

健康の科学

音楽療法ってなに?

こんにちは、薬剤師ともです。

「音楽で心が軽くなる」
「つらい気持ちが、歌に代弁されたようで泣けた」
そんな経験をしたことはありませんか?

音楽療法とは、そうした音楽の“心と体への影響力”を、意識的・計画的に活用するアプローチです。
医療や福祉の現場で専門的に行われることもありますが、最近では一般の方が自宅で取り入れるケースも増えています。


僕も入院中に、知らず知らずのうちに音楽療法を受けていました。
睡眠音楽のプレイリストを作り、躁で気分が落ち着かないときは寝る前のルーティンにして必ず聞きました。
また、うつで落ち込んだ時は気分の高まるプレイリストを作って気分を上げ、入院患者同士のカラオケ交流会で歌を一緒に歌って気持ちを表現していました。
そしてそれを退院してからも、症状が安定するまで継続していました。

今回はそんな音楽療法について過去の記事を振り返りつつ、やり方をまとめたいと思います。

このブログを読むメリット

・音楽療法の日常への取り入れ方が分かる

・眠れない、生きていくのが不安といった症状が改善するきっかけになるかも

・意識して取り込むことで、充実して幸福度の高い毎日をおくるきっかけに

音楽療法の2つのタイプについて

音楽療法には、大きく分けて以下の2つの方法があります:


① 受動的音楽療法

音楽を聴いて効果を得る」方法

🔹やり方:

  • 音楽を“ただ聴く”ことで、心や体を整える
  • リラクゼーション音楽を流したり、好きな曲に浸るだけでもOK

🔹こんな人におすすめ:

  • 疲れている・ストレスが強いとき
  • 音楽に身を委ねて癒されたいとき
  • 寝つきが悪く、静かな時間を作りたいとき

🔹メリット:

  • 誰でもすぐできる(再生ボタンを押すだけ)
  • 楽器が弾けなくてもOK
  • 無意識でも効果が得られる

🔹デメリット:

  • 効果を実感しにくい場合がある
  • 自分に合う音楽を見つけるまで少し時間がかかることも

② 能動的音楽療法

「自分で音を出して参加する」方法

🔹やり方:

  • 歌う・楽器を演奏する・リズムを取るなど、自ら音楽に参加する
  • たとえば、ドラムを叩く、カラオケを歌う、手拍子するなども含まれる

🔹こんな人におすすめ:

  • モヤモヤした感情を吐き出したいとき
  • 自分の気持ちを表現したいとき
  • 誰かと一緒に楽しみたいとき(家族・グループ)

🔹メリット:

  • 感情の解放につながる(ストレス発散・涙活にも)
  • 自己肯定感の向上(「声が出た」「楽しかった」などの達成感)
  • 他人とのつながりを感じやすくなる(共鳴や共感)

🔹デメリット:

  • 楽器が必要なこともある(簡単な打楽器でOK)
  • 人前で歌うことに抵抗がある人にはハードルが高く感じる場合も

◆ どちらがいい?→両方の“いいとこ取り”でもOK!

どちらの方法にもメリットがあり、**正解は「自分に合ったやり方」**です。たとえば…

  • 「夜は受動的に音楽を聴いて眠りに入る」
  • 「昼は気分転換に口ずさんだり、軽く手拍子してみる」

こんなふうに、受動と能動をうまく組み合わせることで、生活に自然と“音楽の癒し”を取り入れることができます。


◆ 音楽療法は「副作用がなく、気軽に始められるケア」

音楽療法の魅力は、

  • 医薬品と違って副作用がない
  • いつでも、どこでも、ひとりでもできる
  • 自分に合った方法を“楽しみながら”続けられる

という点です。

ただし、重度のうつや強い不眠がある方は、医師の治療と並行して使う“補完的な方法”として取り入れるのが基本となります。

目的別「音楽の選び方」とおすすめステップ

──あなたに合った“癒しの音楽”を見つけよう

「どんな音楽が心にいいの?」と思っても、最初は迷いますよね。
ここでは、目的別に合った音楽の選び方と、すぐできる使い方のステップをご紹介します。

【目的①】リラックスしてストレスを和らげたいとき

ヒーリング音楽がリラックス効果をもたらす科学的根拠については、過去の記事を参照ください ⇓

🎵おすすめ音楽:

  • ヒーリングミュージック(波の音、鳥のさえずり、川の流れなど)
  • ゆっくりしたテンポのピアノやギター(60〜80BPM)

✅やってみよう:リラックスタイムの音楽療法(10分)

  1. 照明を少し落とす(間接照明やキャンドルでも◎)
  2. スマホで自然音のプレイリストを再生(SpotifyやYouTubeでOK)
  3. ソファや床に座って、目を閉じて深呼吸(4秒吸って、4秒止めて、8秒吐く)
  4. 音の流れに意識を向けて、「いまこの瞬間」に集中する
  5. 呼吸が整ってきたら、そのまま5〜10分流してリラックス

【目的②】夜、自然に眠りにつきたいとき

睡眠音楽が睡眠改善に効果的な理由はこちらの記事を参照ください ⇓

🎵おすすめ音楽:

  • スリープミュージック、ローファイ系のBGM
  • ハープやストリングス系の静かなクラシック

✅やってみよう:寝る前の音楽ルーティン(15分)

  1. 寝る30分前に部屋の照明を暗めにする
  2. 音楽アプリで「Sleep」「眠れる音楽」などのプレイリストを選択
  3. ベッドに入り、横になったまま再生(音量は小さめ)
  4. 音楽に集中しすぎず、「聴き流す感覚」で
  5. 自然に眠気がくるまで、スマホや画面は見ないように

🔍ポイント:

  • 歌詞付きの曲より、歌詞のないインスト系が睡眠には向いています
  • 習慣にすることで、体が「この音=眠る合図」と覚えてくれます

【目的③】気分を前向きにしたいとき(気分が落ち込んでいるとき)

不安障害など気分の変調があるときに音楽が効果的な根拠は、こちらの記事を参照 ⇓

🎵おすすめ音楽:

  • 懐かしのポップスやアニソン
  • 自分の「青春ソング」やカラオケの定番

✅やってみよう:「元気チャージ」プレイリストづくり

  1. スマホで自分の好きな音楽アプリを開く(YouTubeでもOK)
  2. 「聴くと元気が出る曲」を思いつくままに5〜10曲登録
  3. 1日1回、そのプレイリストを再生しながら散歩・掃除・ストレッチ
  4. 曲の歌詞やリズムに合わせて、軽く体を動かすとさらに効果的
  5. 「この曲は今の気分に合わないな」と感じたら、入れ替えて更新

📝補足:

  • 好きな曲はドーパミン分泌を促し、やる気や幸福感に繋がると報告されています
  • 無理に明るい音楽を聴く必要はありません。「泣ける曲」でも、涙が出てスッキリするならOK!

はじめてのセルフ音楽療法ガイド

──「とりあえずこれだけやってみる」でOK

「音楽療法って難しそう…」と思う方のために、今日から試せる超かんたん入門ステップを目的別にご紹介します。


✅Step 1:まずは「タイミング」を決めよう

  • ● 朝の目覚め時(やる気が出ない人に)
  • ● 昼休みやカフェタイム(ストレスが溜まってきたときに)
  • ● 夜寝る前(不眠・不安を感じやすい人に)

👉 時間を決めておくと、音楽が“生活のリズム”に溶け込みやすくなります。


✅Step 2:簡単プレイリストの作り方(初心者向け)

【準備するもの】

  • スマホ or パソコン
  • 音楽アプリ(Spotify、YouTube、Apple Musicなど)

【やり方】

  1. 自分の気分に合ったキーワードで検索(例:「安眠」「やさしいクラシック」「ヒーリング」)
  2. 気に入った曲を「お気に入り」や「マイプレイリスト」に保存
  3. 使いやすいようにプレイリスト名をつける(例:「ねる前用」「落ち込んだとき」)
  4. 1日1回、そのリストを再生して音楽習慣をつける

✅Step 3:うまく習慣にするコツ

  • 🔁「毎日同じ時間」に再生する(条件反射的に効果が出やすくなる)
  • 🧘‍♀️ 音楽+呼吸法・軽いストレッチをセットにすると、よりリラックス
  • ✍ 気分の変化を記録してみる(「聴いた後どうなったか?」メモ)

✅Step 4:困ったときのQ&A

お悩み対策
曲を選ぶのが面倒「眠れる音楽」で検索 → プロが作ったプレイリストをそのまま活用
途中で飽きてしまう週に1回、曲を入れ替える/歌詞ありの曲と交互に使う
音楽が逆に不安になる無理して聴かなくてOK。静けさのほうが安心なら、それも立派なケア

まとめ:まずは1日1曲から、あなたの心をやさしく整えよう

音楽療法は、専門知識がなくても始められる“心のセルフケア”です。
うまく使えば、薬に頼らずに「気分」「睡眠」「不安」をやわらげる力になってくれるかもしれません。

何から始めたらいいかわからない人は、今日寝る前に「眠れる音楽」を検索して10分だけ聴いてみることからはじめてみてください。

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