“読み聞かせ”で頭が良くなるって本当?最新研究が示す意外な事実

子育ての科学

はじめに

こんにちは。薬剤師ともです。


子育てをしていると、「読み聞かせってしたほうがいいのかな?」
「本当に意味あるの?」と思うこと、ありますよね。
とくに忙しい毎日を送るパパやママにとって、「それってどれくらい効果あるの?」と疑いたくなるのは当然です。

今回は、そんな疑問に真正面から答えてくれる最新の科学的分析をご紹介します。
読み聞かせの効果を“統計的に”検証したこの研究が、意外な事実を教えてくれました。

このブログでわかること

  • 読み聞かせが子どもの言語能力に与える本当の効果
  • 最新の分析で示された科学的根拠
  • 読み聞かせが効果的になる「やり方」とは?
  • 忙しい家庭でも取り入れられる実践アドバイス

読み聞かせって、実際にはどんなこと?

まず「読み聞かせ」について簡単に整理しましょう。
いわゆる「絵本を読んであげること」と思われがちですが、研究で扱われているのはもう少し幅広い意味です。

  • 親や保育者が子どもに本を声に出して読むこと
  • 子どもとのやりとり(対話)を含むことも多い
  • テレビやアプリなど受動的な視聴と違って、能動的な関与がある

研究で何がわかった?~メタ分析とは

今回ご紹介する研究は、2019年に発表された論文。

ここで重要なのが「メタ分析」という手法です。
これは、これまでに行われた多数の研究(この場合は54件)を統計的に統合して、
「読み聞かせの効果は本当にあるのか?」を、客観的かつ大規模に検証する方法なんです。

読み聞かせの効果は「小さいけど確かにある」

この研究の結果を一言でまとめると……

「読み聞かせには子どもの言語能力を伸ばす効果が“わずかに”ある」

効果量(Hedges’ g)=0.19
この数字は、心理学や教育学では「小さいけれど意味のある効果」とされます。
つまり「劇的に賢くなる!」というわけではないものの、確実に良い影響があるといえるのです。

どんな子に効果が出るの?年齢や家庭環境で差はある?

項目結果
年齢による差ほぼなし
親の学歴や収入(SES)による差なし
読み聞かせの回数・長さ大きな影響は見られず
対話的な読み聞かせ効果に差は出なかった

つまり、「どんな子でも、どんな家庭でも、少しずつ効果がある」というのが現実的なメッセージです。

読み聞かせ vs 他の遊び、どっちがいいの?

この研究の面白い点は、比較対象に「他の活動(絵を描く・遊ぶ)」を使っている研究も含まれていること

その結果、以下のような事実も判明しました。

  • 読み聞かせ vs 他の知育的な遊び → 効果の差はごくわずか

つまり、「読み聞かせだけが万能ではない」。
親子のコミュニケーション自体に価値があるという見方もできます。

読み聞かせをするときの「3つのコツ」

以下の3つのポイントを意識すると、読み聞かせの質がグッと上がります。

  1. 「一方通行」にしない
    子どもに「これは何?」「次どうなると思う?」と問いかけてみましょう。
  2. 感情もこめて読んでみる
    声のトーン、表情、抑揚をつけることで記憶に残りやすくなります。
  3. 毎日でなくてもOK!「楽しく続けられる頻度」で
    忙しい時期は週末だけでもOK。継続することが大切です。

よくある質問(Q&A)

Q. 読み聞かせは何歳から始めればいい?

A. 1歳半ごろから始めた家庭が多く、2~5歳での効果が特に確認されています

Q. タブレットで読むのでも効果はある?

A. 紙の絵本と比べてやや効果が低い可能性があります。
理由は「対話が減る」「操作に気を取られる」など。

Q. 親が下手でもいいの?

A. むしろ自然体でOK!
感情をこめて、子どもと楽しむことが一番大切です。

忙しいパパ・ママへ:3分でできる「時短読み聞かせ」

「時間がなくて無理…」という声もよく聞きます。
そんな方におすすめなのが「3分だけ読み聞かせ」。おすすめの実践法はこちら。

  • 絵本の「お気に入りの1ページ」だけ読む
  • 通勤中にスマホで絵本を読み、夜に1つだけ話す
  • 寝かしつけ前に1話完結の短い本を選ぶ

大切なのは「量」よりも「習慣」です。

薬剤師として伝えたいこと

読み聞かせには、言語能力の向上だけでなく、

  • 親子の信頼関係の強化
  • 感情の安定
  • 学習習慣の土台づくり

といった「副次的な効果」も期待されています。
これは、薬剤師としてメンタルケアの視点からも非常に重要だと感じています。

まとめ:読み聞かせは“万能薬”ではない。でも確かな「栄養」になる

  • 読み聞かせには小さいけれど有意な効果がある
  • 年齢・家庭環境に関係なく、誰にでもメリットがある
  • 対話的に読んだり、習慣化することで効果が高まる
  • 忙しい家庭でも「短く・楽しく」が基本!

読み聞かせは、決して「すごい効果がある魔法」ではありません。
でも、親子の時間を深める“知的なスキンシップ”として、今日からでも始めてみる価値があります。

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参考文献

Noble, C., Sala, G., Peter, M., Lingwood, J., Rowland, C. F., Gobet, F., & Pine, J. (2019).
The impact of shared book reading on children’s language skills: A meta-analysis.
Educational Research Review, 28, 100290. https://doi.org/10.1016/j.edurev.2019.100290

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