こんにちは、薬剤師のともです。
「スキンケアは頑張ってるのに、どうしてニキビがなくならないんだろう…」
そんな風に感じたこと、ありませんか?
僕も若いころはそうでした。
なかなか治ってくれないニキビを、手でつぶしては悪化して…
ですが、そんな悩みとはもう決別しましょう!
今回は、食事とニキビの意外な関係について、アメリカの皮膚科学会雑誌(JAAD)に掲載された医学論文をもとに、科学的にわかりやすく解説します。
特に、10〜30代でニキビに悩んでいる方に向けて書いています。
対処法についても記載していますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- なぜ、甘いものや炭水化物がニキビを悪化させるのか?
- 「高GI・高GL食品」って何? どうして肌に悪いの?
- ニキビができるメカニズムとインスリン・ホルモンの関係
- どんな食事がニキビ改善に役立つのか?今日からできる実践法
スキンケアだけでは治らない?ニキビの裏側にあるもの
ニキビに悩む方の多くが、まず試すのは洗顔料の見直しや、保湿・市販薬などのスキンケアですよね。
でも、「それでも良くならない」という人が少なくありません。
その理由の一つが、「体の内側の環境」、とくに食事の内容です。
実際に、アメリカの研究者Smith RNらが2007年に発表した論文では、食事とニキビの関係が医学的に検証されています。

高GI・高GL食品ってなに?
まず登場するキーワードは「GI(グリセミック・インデックス)」と「GL(グリセミック・ロード)」です。
- GI(グリセミック指数):ある食品が、食後どれくらい血糖値を上げるかを示す指標。
- GL(グリセミック負荷):GIにその食品に含まれる炭水化物量をかけた値。実際に食べたときの血糖値の上昇度合いを表す。
GI・GLが高い食品の例:
- 白ごはん
- パンやうどん
- ジュース・お菓子類
- シリアル・じゃがいも
こうした食品をたくさん食べると、血糖値が急上昇し、それに応じてインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンとニキビの深〜い関係
実はこのインスリンが、ニキビと深く関わっているのです。
インスリンの分泌が多くなると、次のような連鎖が起こります:
- インスリンが男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを強める
- 男性ホルモンが皮脂腺を活性化させる(=皮脂が増える)
- 同時に、毛穴の中の角質が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなる
- 結果として、アクネ菌が増殖しやすい環境ができ、ニキビが悪化する
さらに、インスリンと似た働きをする「IGF-1(インスリン様成長因子-1)」もニキビの原因のひとつとされ、皮脂腺の肥大化や角化異常を引き起こします。

実際にあった臨床研究:ニキビ改善に成功した人たち
Smith RNらの論文では、43人の男性を対象にした臨床試験の結果が紹介されています。
この研究では、参加者を次の2つのグループに分けました。
- 低GL食グループ:GIが低い炭水化物(全粒粉、野菜など)と高タンパク質中心の食事
- 対照グループ:一般的な食事(高GI食品を含む)
12週間後、結果は以下の通り:
- 低GL食グループでは、ニキビの数が明らかに減少
- 体重やBMIの減少
- インスリン感受性の改善(血糖コントロールが向上)
今日からできる!ニキビのための食事改善法
避けたい食品(高GI・高GL)
- 精製された白米・白パン
- ポテトチップス、フライドポテト
- 加工された朝食シリアル
- 清涼飲料水、砂糖たっぷりのお菓子
積極的に摂りたい食品(低GI・低GL)
- オートミール、全粒粉パン
- 野菜類(特に葉物)
- 鶏むね肉、魚、豆類(高タンパク質)
- ナッツ類(適量)
- 水、無糖のお茶
プチ工夫のポイント
- ジュースより水やお茶を選ぶ
- 白米に雑穀やもち麦を混ぜてみる
- おやつにはナッツやヨーグルト
ニキビと食事の関係に「YES」と言った研究者たち
かつては「チョコレートや油ものとニキビは関係ない」とされていましたが、近年の研究でその見方は大きく変わりつつあります。
インスリンやIGF-1の作用メカニズムが明らかになったことで、
「ニキビは、ホルモンと代謝の乱れが引き起こす“体の内側の炎症”」という理解が進んでいるのです。
だからこそ、スキンケアに加えて「何を食べて、何を控えるか」がニキビ改善のカギとなります。

まとめ:肌トラブルは“食べ方”から変えよう
繰り返すニキビに、「もう体質だから…」とあきらめていませんか?
でも、食事によってニキビが改善できることが、今や科学的にも証明されつつあります。
ニキビ治療は「肌の外側からのケア」と「内側からのケア」の両輪が大切。
「甘いものや白いご飯を控える」たったこれだけの工夫が、あなたの肌と自信を取り戻す一歩になるかもしれません。

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参考文献
- Smith RN, Mann NJ, Braue A, Makelainen H, Varigos GA. High glycemic load diet and acne vulgaris: a review of the evidence and clinical implications. J Am Acad Dermatol. 2007;57(2):247-256. doi:10.1016/j.jaad.2007.01.033