こんにちは、薬剤師ともです。
今回は、僕が双極性障害で不安定だった時期に、気持ちを盛り上げるために実際に聞いていた楽曲を紹介します。
今でこそフルタイムで働き続けてなんとか精神的にも安定してきましたが、発症して3年ほどは気分の変動が激しく、地獄のような日々でした。
躁転した際に睡眠音楽として聴いていた曲については以前の記事で紹介しましたので、今回はうつに陥った時に気持ちを上げてコントロールするために使用した曲になります。
体が鉛のように重く、ベッドから抜け出すことすらできなかった僕の心の支えとなり、何とか生きていこうと前を向けた原動力になった曲たちです。
この出会いがなければ、僕はまだベッドから抜け出せていなかったかもしれません。
これが万人に効果的な曲ではないことは承知の上で、同じ体験をしている人の少しでも助けになればと思います。
参考になるかはわかりませんが、この記事を読む貴方が”心の処方箋”となる素晴らしい音楽に出会えますように。
この記事を読むメリット
- 実際に不安障害を経験した筆者の“リアルな選曲”を知ることができる
- 音楽療法の科学的な効果がわかり、安心して取り入れられる
- 不安なときに自分に合った“心の処方箋”を見つけるヒントになる
音楽療法って何?科学的に見ても“効く”理由
「音楽療法」とは、音楽を使って心や体の不調をやわらげる療法のこと。
医療や福祉の現場では、専門の音楽療法士が行うケースもあります。
音楽療法には大きく2つの方法があります。
●受動的音楽療法
=「音楽を聴くだけ」でもOK。
→ リラックスや安心感、気分転換などが目的。
●能動的音楽療法
= 歌う・演奏する・作詞作曲するなど、自分から音楽に関わるタイプ。
→ 自己表現やストレス発散、達成感の回復などに効果的。
詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください ⇓
なぜ音楽は不安に効くの?
音楽を聴くと、脳や自律神経にさまざまな良い変化が起こることが研究でわかっています。
✅1. リラックス状態を生む「副交感神経」が優位になる
不安なときは、体がずっと“緊張モード”。
ゆったりした音楽は、心拍や呼吸を整え、身体を「安心モード」に切り替えてくれます。
✅2. セロトニンやドーパミンが増え、気分が持ち上がる
感情に関わる脳の回路が刺激され、
「落ち着いた」「前向きになれた」という体感につながります。
✅3. 言葉にできない気持ちを代弁してくれる
特に歌詞付きの音楽は、自分の心の内を“代弁”してくれることがあります。
「自分だけじゃないんだ」と思えることが、不安の軽減につながります。
詳しく知りたい方はこちらの記事で解説しています ⇓
音楽は「心の薬」になるかもしれない
もちろん、音楽は薬のように即効性があるわけではありません。
でも、心の奥にそっと寄り添い、気持ちを整えてくれる力は本物です。
僕が選んだ6曲も、そんなふうにして少しずつ心を軽くしてくれました。
次の章では、実際に僕がどんな曲に助けられたのか、その理由とともにご紹介します。
心の支えになった曲6選
基本的には病気発症時に放映されていたアニメの主題歌になります。
本を読んだりなど何かを自発的にする気力がわかなかった中で、好きなアニメのわかりやすい励ましの歌詞に勇気づけられました。
冒頭でもお話ししたように、何もできずにベットの中でうずくまっている中で聞いて、少しずつ元気を取り戻していきました。
🎵1曲目:「シリウス/ 藍井エイル」
- 特に響いたフレーズ
「立ち止まっていたそんな時間も必要だったのかな。なんて今はね、思えてる」
「願い事は全部この手で叶える」 - 全天一明るい恒星を題名にした曲。その名の通り、明るくアップテンポで力強い音楽で伸びやかに歌い上げられているが、時に立ち止まったりしたことに振り返って弱さについても言及しています。
当時はまずこの曲を聴いてから、それでも気持ちが上がらなかったときは次の曲へ…といった感じでプレイリストをいじってました。
立ち止まっていた時間も必要だったと振り返られる自分にいつかなるんだという思いで聞いていました。
最後のフレーズは「全部この手で叶える」という力強い宣言で締めくくられており、自己暗示をかける意味で口ずさんでいました。
🎵2曲目:「wimp ft. Lil’ Fang/BACK-ON」
- 特に響いたフレーズ
「弱さだって、君の強さと教えてくれたから僕はまた立ち上がれた」
- BACKーONの力強いロック調の伴奏と、前向きになれる歌詞が勇気をくれる曲です。
疾走感のあるサビとそこで重なるボーカルのハモリが心地よく、もう一度立ち上がることを後押ししてくれる感じがして何回も繰り返し聞いていました。
🎵3曲目:「希望の唄/ウルトラタワー」
- 特に響いたフレーズ
「知らないことだらけで笑えてくるな。まだまだ先に行ける証だ。」 - ウルトラタワーの疾走感あるギターと、ボーカルの透明なハイトーンが特徴的な曲です。
「知らない」ということを肯定的にとらえる上記の歌詞がありますが、僕自身が認知行動療法でポジティブな考え方を取り入れていくうえで、物事を良い方向に解釈しようとしたときにこのフレーズを見て非常に参考になりました。
また、つまずいても走り続ける先に希望があるということを示唆するなど、とても前向きな思いが綴られており、聞くだけで自然と前向きにさせてくれます。
🎵4曲目:「Sign/Flow」
- 特に響いたフレーズ
「覚えてるかな、涙の空を。あの痛みが君のことを守ってくれた」 - FLOWのロック調でノリノリの調べから、痛みを力に変えるメッセージが胸に響く力強い曲です。
上記のフレーズのように、自分が過去に負った傷や痛みこそ今の自分を作るものであり、それを肯定的に受け止めようと思えるような曲です。
🎵5曲目:「オラシオン/白(茅野愛衣)」
- 特に響いたフレーズ
「サヨナラ 僕らはきっと生まれ変われるから悲しみに手を振るんでしょう」
「それは君の弱さの隣に見つけた強さの欠片だって 途切れ途切れの言葉を探して繋ぎとめた」 - 透明感あるウィスパーボイスが幻想的な旋律と溶け合い、祈りや孤独、絆を静かに描き出すバラードです。
ロック調のアップテンポの曲ばかりでは疲れるので、合間に挟むのですが、優しく儚いながらも力強い曲調で心に染みます。
悲しみにサヨナラを告げて生まれ変わろうとすることを、優しくささやく声で肯定してくれているようです。
また、「弱さの隣にある強さ」という上記フレーズは、弱さを決して否定的にとらえるものではなく、弱さがあるから隣にある強さに気付ける、持てるんだという気持ちにさせてくれます。
その強さも「欠片」という言葉で表現されており、どこまでも控えめな表現が詩的な余韻をもたらしてくれて大好きな曲です。
🎵6曲目:「ココ/たむらぱん」
- 特に響いたフレーズ
「いつだってココがすべてなんだ」
「誰だってきっと寂しい だけど生きることはできる。一人の夜、戦ってるんだよ」 - 自身が大切にしたい“ここ”を問いながら力強く歩みを進める、疾走感あふれるポップスです。
伴奏も軽やかながらもゴージャスな音の重なりがあり、疾走感と相まって独特の世界観を作り出しています。
伸びやかな歌声で自分の居場所について自問していく中で、それでも「大丈夫、世界はうまくいく形なんだ」と締めくくられ、前向きで救われた気持ちにさせてくれる曲になっています。
すぐに回復できたわけではない。でも小さな変化を喜びたい
僕は上記の音楽を聴いて、すぐに回復できたわけではなかったです。
それでも毎日、動かない体に潤滑油をさすように、少しづつ心と体に曲を染み渡らせていきながら、長い時間をかけて自分の自信というものを再構築していきました。
「お風呂に毎日はいれるようになった」「外出ができた」という小さな変化を喜び、その積み重ねによって自分を「取り戻して」いったんです。
どんな音楽が心に響くかは人によって違いますし、だからこそ「自分の心のプレイリスト」を作る楽しみがあります。
この記事が貴方にとって大切な曲が見つかる、あるいは大切な曲に気付くきっかけとなれば幸いです。
音楽療法を実践し、少しでも心が軽くなると嬉しく思います。

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