こんにちは、薬剤師のともです。
「健康のために毎日1万歩、歩きましょう!」ってよく耳にしませんか?
でも、「そんなに歩けないよ〜」と思ったこと、一度や二度じゃないはず。
実は最近の研究で、「もっと少ない歩数でもちゃんと健康効果がある」ことがわかってきたんです。
今回は、オランダの研究チームが行った最新の大規模調査をもとに、「どれくらい歩くと健康や寿命にいいのか?」について、わかりやすくお伝えしていきます!
この記事でわかること
- たった2,600歩からでも健康効果が現れること
- 死亡率や心臓病リスクを最も下げる最適な歩数とは何歩か
- 歩き方や歩くスピードが健康効果にどう関係するか
- 年齢や性別にかかわらずウォーキングがもたらすメリット
2,600歩でもOK!?少ない歩数で見えてくる健康効果
「1万歩歩け」と言われ続けてきた私たちにとって、これは目からウロコかもしれません。
2023年、オランダのラドバウド大学の研究チームが発表した大規模な研究によると、
👉 たった2,600歩(正確には2,517歩)で、死亡リスクが下がる!
👉 心臓病や脳卒中といった心血管疾患のリスクも、2,800歩(2,735歩)で下がる!
びっくりしますよね。「そんなに歩かなくても、意味あるんだ」って。

どれくらい歩くのがベストなの?
「なるほど。じゃあ、できれば何歩くらい歩くのがベストなの?」という疑問にもしっかり答えてくれています。
研究では、
✅ 死亡リスクが一番下がったのは、1日8,800歩(8,763歩)
✅ 心臓病などのリスクが一番下がったのは、7,100歩(7,126歩)
つまり、「1万歩じゃなきゃダメ」ということではないんです。
1日7,000〜9,000歩くらいを目標にすると、かなり効果的だということがわかっています。
「今日は忙しかったけど5,000歩は歩いたな」──それだけでも、じゅうぶん価値あることなんですね。
歩き方でも差がつく!“速歩き”の効果がすごい
歩く歩数だけじゃなくて、「歩くスピード」も大事なんです。
研究では、
💡 速めに歩いていた人は、さらに死亡リスクが下がっていた という結果が。
理由は、ちょっと心拍数が上がるくらいの運動が、体の代謝を活性化してくれるからなんですね。
ですから、日々の通勤や買い物のときに、ちょっとスピードを上げてみるだけでも違ってきますよ。
男女差はあるの?高齢者でも効果ある?
「若い人向けの話でしょ?」と思った方、安心してください。
この研究では、性別や年齢による効果の差はほぼなかったとされています。
つまり、
✔️ 女性でも男性でもOK!
✔️ 高齢の方でも、歩けばちゃんと効果あり!
ということ。
「年齢を重ねたから…」と諦めるのではなく、毎日の散歩をちょっと意識するだけで、未来の健康にしっかりつながるんです。
歩数アプリで測ればOK?実は測定方法にも違いがある

ちょっと専門的な話になりますが、
研究では、「歩数の測り方」でも結果に差があったことが報告されています。
🟢 腰に着ける活動量計(加速度計)で測ると、より正確でリスクの低下もはっきりと見られた
🟡 手首型のスマートウォッチやスマホのアプリでは、やや効果の出方がマイルドに
これは、正確に“歩いている時間”を測れるかどうかの違いなんですね。
もし「しっかり管理したい!」という方は、腰や足につけるタイプのデバイスを使うのも一つの方法です。
まとめ:ムリしなくても、歩くだけで未来が変わる
ここまでのポイントをサクッとおさらいしましょう:
✅ 2,600歩からでも健康にプラス!
✅ 最も効果が出るのは7,000〜8,800歩くらい
✅ 速歩きするとさらに効果アップ!
✅ 年齢・性別に関係なく、誰にでも効果あり
「歩かないと不健康になる」ではなく、
「少しでも歩けば、ちゃんと体は応えてくれる」
そう考えると、毎日の移動がちょっと楽しくなりませんか?

最後に
薬を使わずに健康を守れることって、実はたくさんあります。
歩くことは、私が考える“最もシンプルで続けやすい予防法”のひとつです。
「今日、あと500歩だけ歩いてみようかな」
そのちいさな一歩が、あなたの未来を変えるかもしれません。
【参考論文】
Stens NA, Bakker EA, Mañas A, et al. (2023). Relationship of Daily Step Counts to All-Cause Mortality and Cardiovascular Events.
Journal of the American College of Cardiology, 82(15): 1483–1494.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37676198/

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